ハイブリッド車=燃費がいい。

事実エンジンだけで走るクルマより、ハイブリッド車の方が燃費が良くなります。

 

そもそもハイブリッド車とは?

「ハイブリッド」という英語の意味は、

<名詞>

1.動植物の雑種、あいのこ 2.異質のものの混成物

<形容詞>

1.雑種の 2.混成の

となっています。

 

つまりハイブリッド車とは、「(異なる動力源を持つ、走行用動力機関が)混成のクルマ」ということです。

異なる動力源とは、エンジンとモーターです。

これらを別々に使い分けたり、それぞれのパワーをミックスしたりして走行するのが、ハイブリッド車となります。

 

ではなぜ、ハイブリッド車の燃費がいいのか?

その理由を説明していきます。

 

 

・モーターの仕事

 

ハイブリッド車におけるモーターの役割とは、ブレーキ時における充電、そしてその電力を使って走行することです。

 

ブレーキで貯めた電力を使ってモーターを駆動することによって、エンジンだけで走行するクルマよりも、エンジンを動かす頻度が減り、ガソリン消費量が減り、燃費が良くなるのがハイブリッド車です。

 

ブレーキで充電するとは何か❓ 

 

クルマが減速し、止まる。

これは、ハイブリッドではないクルマの場合、1トンからそれ以上ある移動体(クルマ)が前に進むエネルギーを、ブレーキディスクとブレーキパッドの摩擦によって発生する熱に変換し、大気に発散して、前に進むエネルギーを減らす、無くすということです。

ハイブリッドではないクルマは、前に進むエネルギーを大気に発散して終わりです。ですがハイブリッド車は、前に進むエネルギーを、モーターを回す力に変換し、その抵抗力でクルマを減速させます。

つまりハイブリッド車は、大気に捨てていた熱エネルギーを、モーターを発電方向に回すことに使い、バッテリーに蓄電します。

 

これがブレーキで発電する仕組みです。

 

そしてその電気を使ってモーターを回し、クルマを動かすために回す。

動いて、蓄電(エネルギーの回収)をして、また動いて、また蓄電して。

このサイクルによってハイブリッド車はガソリン消費量が減り、燃費が良くなるのです。

 

 

・モーターをゼロ発進で使う、そのメリット

 

<メリットその1>

 

エンジンは停車からクルマを走らせる時に一番燃費が悪いです。エンジン回転数が低いと熱効率がとても悪く、トルク(力強さ)も低いのがその理由。

ですがモーターは、停車からクルマを走らせ始める時=モーター回転開始時、この時が1番トルクがあります。なので発進時にエンジンではなくモーターを使って発進すれば、エンジンの燃費が悪い部分を使うことが減ります。さらにモーターを回すのは、ブレーキで貯めた電力。

この2つの合わせ技で、燃費が良くなるという仕組みです。

 

<メリットその2>

 

凄く燃費のいいエンジンに仕立てることができ、クルマの燃費が良くなります。

 

なぜか?それはエンジンの特性が関係しています。

ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンは、低回転でパワーを出すと高回転でパワーが落ちます。逆に高回転でパワーを出すと、低回転でパワーが落ちます。低回転から高回転までどの回転数でもパワーのあるエンジンはなく、どのエンジンもクルマの性格に合わせて、低回転でパワーを出したり、高回転でパワーが出るように仕立てています。

 

ハイブリッド車のエンジンは、低回転でパワーを出す必要がありません。なぜなら、モーターがその役割を担ってくれるから。なので回転数ウンヌンではなく、とにかく一番熱効率のいいエンジンに仕立てることが出来るのです。

 

熱効率を追求したエンジンは、どうしても排気量に対するパワーが落ちてしまいます。これはエンジンの特性上どうしようもないのです。(この理由を説明するだけでとんでもない文字量になるので割愛します)

ですが足りないパワーは、モーターが補ってくれるのです。

 

 

ハイブリッド車の燃費がいい理由。それは...

 

1.ブレーキで捨てていたエネルギーを電気に変えて、その電力でモーターを回し、ガソリン消費量を抑えること。

2.エンジンを徹底的に燃費が良い方向で作っていること。

 

この2つが、ハイブリッド車の燃費がいい理由です。

 

今回はざっくりとハイブリッド車を一括りにして説明しましたが、ハイブリッド車といっても、マイルドハイブリッド・ストロングハイブリッド・シリーズハイブリッドなど、いろんな種類があります。そして同じようなハイブリッドシステムでも、メーカーによってその設計思想や仕立て方が異なります。

それぞれの特徴や違いは、また別の機会に。